起業するまでの人生を振り返る⑥(防災屋工事部〜点検部編)
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CAT起業物語10日目🐱
その頃の僕を繋ぎ止めていたもの、それは会社に入る為の道筋を作ってくれた井上さんのことでした。ここで1年も経たずに辞めてしまうと井上さんの顔を潰してしまう。それと井上さんから失望されてしまうのではと思って、思いとどまってました。
しかし、限界を越えた僕は井上さんに正直に洗いざらい話す為に電話をしました。
赤「実は今しんどい状況でして。正直辞めようか悩んでいます。でも井上さんの事を考えてここまで耐えました。これからどうすべきでしょうか?」
井「そうか。そんな大変やったんやな。でも俺のことはもう気にしなくていいよ。だって赤川くんを紹介して会社に入ってくれた時点で俺の顔は立ててもらってるし、そこからは赤川くんの人生やから自分で決めたらいいと思う」
僕はその言葉を聞いてスッと気持ちが軽くなった気がしました。
そして年末最終日に会社の事務所で軽いお疲れ会がありました。その時に支店長が酔い潰れてしまって僕は介抱をしてました。そして僕は緊急で現場に呼ばれてもいいようにお酒を飲んでいなかったため、支店長を家まで送ることにしました。その車中ではじめて気持ちを打ち明けました。
赤「実は今めちゃくちゃ辛いです。もうこの会社を続けていく自信がなくなってきました。。」
支店長「そうか。実はな、俺も若い頃お前みたいにずっと悩んでたんや。気持ちは痛いほど分かる。俺がお前の上司とか課長に言ってあげるから安心しろ。やからもうちょっと頑張れ」
赤「はい。ありがとうございます。。!」
いつも厳しい支店長に初めて優しい言葉をかけてもらって僕は車内で号泣してしまいました。涙で前が見えてなかったと思います。
その後一時的に殺人的な業務量は少しマシになりましたが、またすぐに残業や夜勤が増えていきました。そしてもう無理だと思った僕は部長と話し合いをしました。会社に入って丸1年が経った頃でした。
赤「申し訳ありません。もう続けていく自信がありません。辞めさせて下さい。」
部長「せっかく入ったのに今辞めるのは勿体ないんちゃうか。。?あ!せや!お前点検部行ったらどうや?あそこなら定時で帰れるやんけ」
赤「え。。!?」
僕はその時退職願を書き、辞める覚悟で話し合いをしにいったので驚きました。点検部に行くという選択肢はその時の僕にはありませんでしたが部長に言われて思いとどまりました。

たしかにその頃の点検部の一部のグループは定時に帰ってる人が多く和気あいあいとした雰囲気でした。ここならやっていけるかもと思い、僕は点検部に移動させてもらうことにしました。しかしこれは「逃げ」でした。でも今思うとここで辞めなくて本当によかったです。
そして点検部に移動した僕は主にマンションの点検をすることになりました。今まで工場やプラントの仕事が多かったのである意味バイト時代を思い出しました。

その時の点検部は工事部に比べ、仕事をチャッチャと終わらして早めに帰るという意識の人が多かったです。僕もその色にどんどん染まっていきました。早く帰るためにみんなで協力し、創意工夫をして残業をしない努力をしてました。
工事部の時に僕は2年付き合った彼女と別れてしまってました。理由は仕事に集中しすぎて構ってあげれず結婚が考えられなくなったからだそうです。
点検部でプライベートの時間が増えた僕は自分の人生をしっかり見つめ直そうと思いました。そして出した答えがプライベートを充実させることでした。
週末に友達と遊ぶ回数も増え、平日も早く帰って自分の好きなことに時間を使ってました。いわゆる人生のプライオリティー(優先順位)が完全に「仕事<プライベート」になりました。
心にも余裕ができ、すっかり健康になりました。ある日先輩に「赤川くん、なんか最近顔色が良くなったな〜!表情が前と全然ちゃうよw」とイジられるぐらい回復してました。そんな中、幼なじみから電話がかかってきました。
〜次回へ続く〜